GPIF の基本ポートフォリオ
世界最大級の年金基金が、どういう配分で、どういう根拠で運用しているか。配分も実績も全部公開されているので、外から検証できます。
なぜ参照するのか
GPIF を取り上げるのは、①世界最大級の規模で、②超長期の運用を前提とし、③配分の根拠と実績がすべて公開されているからです。個人が真似すべきという意味ではありません。
基本ポートフォリオ
第5期中期目標期間(2025年度〜2029年度)
| 資産 | 目標 | 実際 | 差 |
|---|---|---|---|
| 国内債券 | 25% | 25.59% | +0.59% |
| 先進国債券 | 25% | 24.60% | -0.40% |
| 国内株式 | 25% | 24.48% | -0.52% |
| 先進国株式 | 25% | 25.33% | +0.33% |
乖離許容幅: 各資産 ±5%〜±6%、債券・株式の区分ごとでは ±9%
基準日 2026年6月30日 / 取得日 2026年8月30日
運用実績
運用資産額
318兆円
約3,177,596億円
市場運用開始以降の年率
4.95%
2001年度から。名目値。
累積収益額
221兆円
うち利子・配当 約63兆円
年度別の収益率は掲載していません
年度別の収益率は各年度の業務概況書で公表されています。本サイトでは転記の正確性を担保できないため掲載せず、市場運用開始以降の年率のみを掲載しています。年度ごとの振れ幅は出典の「過去の運用状況」でご確認ください。
基本ポートフォリオの構成
単位: %
- 国内債券
- 先進国債券
- 国内株式
- 先進国株式
実際の構成は市場の変動で目標からずれますが、乖離許容幅の範囲内に収まるよう管理されています。個人がリバランスを考えるときの参考になります。
データを表で見る
| 資産 | 目標配分 | 実際の構成 |
|---|---|---|
| 国内債券 | 25% | 25.59% |
| 先進国債券 | 25% | 24.60% |
| 国内株式 | 25% | 24.48% |
| 先進国株式 | 25% | 25.33% |
なぜこの配分なのか
「4資産を25%ずつが最適解だから」ではありません。GPIF が掲げているのは、年金財政上必要な実質的な運用利回り(賃金上昇率を上回る1.9%)を、最低限のリスクで確保するという目標です。その制約のもとで選ばれた組み合わせが、この配分です。
つまり、目標とする利回りが違えば、答えも変わります。個人が同じ配分を採るべき理由は、ここからは出てきません。
読むときの注意
- GPIF は公的年金の積立金を運用する主体で、給付を長期にわたって安定させることが目的です。個人の資産形成とは目的も制約も異なります。
- 4資産を25%ずつという配分は「これが最適解」という主張ではなく、年金財政上必要な実質的な運用利回りを、想定されるリスクの範囲内で確保するために選ばれた組み合わせです。
- 実際の資産構成は市場変動で目標から動くため、乖離許容幅の範囲内に収まるよう管理されています。個人がリバランスを考えるときの参考になります。
- 市場運用開始以降の年率収益率は名目値です。この期間の物価上昇を差し引いた実質の値は、これより低くなります。
- 短期では大きなマイナスの年度もあります。長期の平均だけを見て「毎年これくらい増える」と考えるのは誤りです。
参考にできること・できないこと
参考にできるのは、①配分を先に決めて、②乖離したら戻す、という運用の型そのものです。これは個人でも同じことができます。
参考にしにくいのは、配分の中身です。GPIF は公的年金という固有の目的を持ち、賃金上昇率に連動した目標を掲げています。個人の目的(老後の生活費、教育費、住宅資金)とは、そもそも解くべき問題が違います。
関連するページ
出典
- [1]年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「基本ポートフォリオの考え方」
- [2]年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「業務概況書・運用実績」