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タネとチエ

アセットアロケーション

何をどれだけ持つか、という配分の話です。個別の商品選びより、こちらのほうが結果への影響が大きいと言われます。

リスク許容度を4つの軸で整理する

「攻め型か守り型か」といった性格診断ではなく、状況から決まる部分を先に確認します。

  • 1

    時間軸

    そのお金を使うのは何年後ですか?

    20年後なら途中の下落から回復する時間があります。3年後なら、下がったまま使う時期が来る可能性があります。もっとも効く軸です。

  • 2

    収入の安定性

    収入は毎月安定していますか?

    安定した給与があるなら、下落局面でも積立を続けられます。収入が変動する場合、下落と減収が重なると取り崩さざるを得ません。

  • 3

    損失への耐性

    資産が3割減ったとき、売らずにいられますか?

    理屈では耐えられるはずでも、実際に数字が減るのを見ると別です。「耐えられる比率」より「実際に続けられる比率」を選ぶほうが結果は良くなります。

  • 4

    目的

    そのお金は何のためのものですか?

    「必要な額がある」のか「余裕資金を増やしたい」のかで話が変わります。必要額がすでに確保できているなら、リスクを取る理由は小さくなります。

耐えられる比率ではなく、続けられる比率を選ぶ。

なぜ: 理屈の上で耐えられるはずの配分でも、実際に資産が3割減るのを見ると人は売ってしまいます。途中でやめる配分より、続けられる控えめな配分のほうが、結果として成績が良くなることがあります。

配分の例

一般に紹介される考え方を並べたもので、特定の配分を推奨するものではありません。並び順も評価の順位ではありません。どれが自分に合うかは、上の4つの軸から考えてください。期待リターンとリスクは、本サイトが置いた前提値から計算した理論値です。実際の運用成果を示すものではありません。

配分例ごとの期待リターンとリスク。並び順は評価の順位ではありません。
配分の例期待リターンリスク(標準偏差)1年で想定される振れ幅(±1σ)
全世界株式 100%6.30%23.50%-17.2% 〜 29.8%
4資産均等(GPIF 基本ポートフォリオと同じ構成)3.47%11.40%-7.9% 〜 14.9%
株式60% / 債券40%4.41%15.63%-11.2% 〜 20.0%
8資産均等4.43%13.74%-9.3% 〜 18.2%
年齢連動型(20〜40代の例)5.13%18.94%-13.8% 〜 24.1%
年齢連動型(50〜60代の例)3.12%10.69%-7.6% 〜 13.8%
債券中心(安定重視の例)1.94%6.19%-4.3% 〜 8.1%

期待リターン・リスク・相関の前提値は、来歴が2つに分かれています。国内債券・先進国債券・国内株式は年金積立金管理運用独立行政法人が公表している前提値、それ以外は長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた前提値で、後者には「未確認」と付けています。日本の公的機関が資産クラス別の前提値を公表しているのは伝統的な4資産までで、新興国・REIT・金には公表値がありません。先進国株式については公表値はあるのですが、その対象指数が本サイトの区分と一致しない(新興国を含み、日本を含まない)ため当てていません。また、公表されている期待リターンは4つの経済シナリオごとに示されていて、本サイトはそのうち1つを使っています。シナリオを変えれば数字も動きます。来歴の違う前提値を1つの式に入れているので、配分どうしの差には前提の出どころの差も混じります。前提が変われば計算結果も変わるため、絶対値ではなく「配分を変えたときにどちら向きにどれくらい動くか」を見る目的でご利用ください。

この表の土台にしている前提値

資産クラスごとの期待リターン・リスクの前提値と、その来歴
資産クラス期待リターンリスク(標準偏差)来歴
国内債券0.50%2.60%GPIF の「国内債券」。ベンチマークは NOMURA-BPI「除くABS」。円建ての短期資産と、為替ヘッジを付けた外国債券もここに含まれています。
先進国債券2.20%9.72%GPIF の「外国債券」。ベンチマークは FTSE 世界国債(除く日本・除く中国、ヘッジなし円ベース)で、国債だけを含み社債を含みません。本サイトの「先進国債券」は社債も含む想定なので、そこは同じではありません。
国内株式4.80%19.19%GPIF の「国内株式」。ベンチマークは TOPIX(配当込み)。
新興国債券3.80%13.50%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
先進国株式6.40%24.90%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
新興国株式7.20%29.00%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
全世界株式6.30%23.50%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
米国株式6.50%25.00%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
国内REIT5.00%19.50%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
海外REIT5.50%22.00%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
金3.00%18.00%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
現金0.10%0.50%未確認 本サイトの区分に当てられる公表値がないため、長期の一般的な水準を参考に本サイトが置いた値です。
公表値の基準日:基準日 2025年4月1日 / 取得日 2026年9月5日

年金積立金管理運用独立行政法人が第5期中期目標期間(2025年度〜)の基本ポートフォリオを組むときに置いた前提値です。標準偏差と相関は1994年4月〜2024年3月の月次リターンからの推計。期待リターンは4つの経済シナリオごとに示されていて単一の値は公表されていないため、本サイトは「過去30年投影」のシナリオを使っています。

なぜ配分が効くのか

1社に集中この1社が失敗したら資産の100%を失う取り返す元本が残らない20社に分散失うのは資産の5%残りの95%が働き続ける
分散すると、1社が失敗したときの影響が小さくなります。当たりの大きさも小さくなりますが、外れたときに退場せずに済みます。

値動きの異なるものを組み合わせると、期待リターンをほとんど落とさずに、全体のふれ幅だけを小さくできます。片方が下がったときにもう片方が下がらない(あるいは上がる)ことで、ふれが打ち消し合うためです。

上の表で、株式100%より4資産均等のほうがリスクが小さいのは、この効果によるものです。

分散だけが、ただでもらえる昼ごはん。

なぜ: ふつうリスクを下げるとリターンも下がります。ところが値動きの異なるものを組み合わせると、期待リターンをほとんど落とさずにふれ幅だけを小さくできます。市場で唯一の「ただの昼食」と呼ばれる理由です。

±1σ が意味すること

表の「振れ幅」は、正規分布を仮定したときに約68%の年が収まる範囲です。裏を返すと、3年に1回はこの範囲の外に出るということでもあります。

さらに、実際のリターンの分布は正規分布より裾が厚いことが知られています。つまり、極端な年は理論値より起きやすくなります。この表は「振れ幅の桁感」を掴むためのものとして見てください。

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