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タネとチエ

勤務先の制度を確認する

勤務先にある制度は、その会社にいる人だけが使えます。しかも、案内が入社時に一度あるきりで、忘れられていることがよくあります。

公開

企業型確定拠出年金(企業型DC)

会社が掛金を出し、運用する商品を自分で選ぶ制度です。運用の結果によって将来受け取る額が変わります。

まず確認: 商品が預金のままになっていませんか

入社時に商品を選ばないと、元本確保型(定期預金や保険)に置かれたままになっていることがあります。長期の資産形成のための制度なのに、何十年も預金のままだった、というのはよくある話です。ログインして確認してみてください。
  • 運用益は非課税です。
  • 原則60歳まで引き出せません。
  • 転職時は、転職先の企業型DCか iDeCo に移す手続きが必要です。放置すると国民年金基金連合会に自動移換され、運用されないまま手数料だけがかかります。

マッチング拠出

会社の掛金に上乗せして、自分でも拠出できる制度です。導入している会社とそうでない会社があります。

  • 自分が出した掛金は全額が所得控除の対象になります。
  • 自分の掛金は、会社の掛金を超えることはできません。
  • マッチング拠出を使うか、iDeCo を併用するかを選べる場合があります。併用はできず、勤務先の規約に沿ってどちらかを選びます。どちらが有利かは掛金の額と課税所得によります。

自分の iDeCo の枠を出す

企業型DCがある場合、iDeCo に出せる額は「制度上の限度額」ではなく「限度額から会社の掛金を差し引いた残り」になります。ここを知らないまま申し込もうとして止まる人がいます。

  1. 企業型DCの加入者サイトにログインして、会社が出している掛金(事業主掛金)の月額を確認する。
  2. 確定給付企業年金(DB)もある場合は、その相当額も差し引かれます。人事・総務に聞くのが確実です。
  3. 限度額からその額を引いた残りが、自分が iDeCo に出せる上限になります。
  4. マッチング拠出を使っている場合は、iDeCo との併用ができません。どちらにするかを先に決めます。

限度額そのものは 2026年12月に引き上げられます。引き上げ後も「合わせていくらまで」という形は変わらないので、事業主掛金を確認する手順は同じです。

手続きの側の話

制度を使い始めると、年に一度の手続きが増えます。難しくはありませんが、知らないと取りこぼします。

  • iDeCo の掛金を給与天引き以外で払っている場合、秋ごろに届く払込証明書を年末調整で提出します。給与天引きなら勤務先が処理するので不要です。
  • 提出し忘れた場合は、確定申告で取り戻せます。
  • NISA の運用益は申告不要です。特定口座(源泉徴収あり)も同様です。
  • 外国株式やETFの配当で外国の税が引かれている場合、外国税額控除は確定申告をしないと使えません。

ふるさと納税と重ねるときの順番

iDeCo の掛金は所得控除なので、課税所得が下がります。課税所得が下がると、ふるさと納税で自己負担が2,000円で済む上限額も下がります。両方を使う場合、iDeCo の掛金を決めてから、ふるさと納税の上限を計算し直してください。逆の順番でやると、上限を超えた分が自己負担になります。

財形貯蓄

給与から天引きで積み立てる制度です。目的別に3種類あります。

  • 一般財形: 目的の制限なし。税制上の優遇はありません。
  • 財形住宅: 住宅の取得・増改築が目的。財形年金と合わせて元利合計550万円まで利子等が非課税。
  • 財形年金: 60歳以降に年金として受け取る。同上の非課税枠。

天引きで手元に来ないため貯まりやすい、という行動面の利点があります。一方、非課税枠は利子に対するものなので、低金利では効果が小さくなります。

従業員持株会

勤務先の株式を毎月買う制度です。会社から奨励金(拠出額の5〜10%程度)が出ることが多く、その分は確実な上乗せになります。

集中のリスクに注意

勤務先の株式を大きく持つと、収入と資産の両方が同じ会社に依存します。会社の業績が悪化すると、給与とボーナスが減ると同時に、資産も減ります。分散の観点からは、資産全体に占める割合を意識して抑えるという考え方があります。

確認の仕方

人事・総務に次のように聞くのが早いです。「企業型DCはありますか」「マッチング拠出は使えますか」「財形貯蓄はありますか」「持株会はありますか」。就業規則や福利厚生のページにも書かれています。