自営業・フリーランスの制度
自営業・フリーランスは、会社員と前提が大きく異なります。年金が薄く、収入が変動し、退職金もありません。そのぶん、使える制度が用意されています。
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会社員との差
| 会社員 | 自営業・フリーランス | |
|---|---|---|
| 公的年金 | 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 | 老齢基礎年金のみ |
| 保険料の負担 | 労使折半(会社が半分負担) | 全額自己負担 |
| 退職金 | ある場合が多い | なし(自分で用意する) |
| 失業給付 | あり | なし |
| 傷病手当金 | あり(健康保険) | なし(国民健康保険) |
| 収入の安定性 | 比較的安定 | 変動しやすい |
この差があるため、生活防衛資金は厚めに(1年分程度を目安にする考え方もあります)持ち、老後の準備も自分で作る前提になります。
使える制度
| 制度 | 内容 | 税の扱い |
|---|---|---|
| iDeCo | 個人型確定拠出年金。自営業者は拠出限度額が会社員より大きい | 掛金が全額所得控除、運用益非課税 |
| 国民年金基金 | 老齢基礎年金に上乗せする終身年金 | 掛金が全額社会保険料控除 |
| 付加年金 | 月400円の付加保険料で、年金額が「200円 × 納付月数」増える | 掛金が社会保険料控除 |
| 小規模企業共済 | 廃業・退職時に受け取る、経営者向けの退職金制度 | 掛金が全額所得控除 |
| NISA | 運用益が非課税 | 運用益非課税(掛金の控除はなし) |
付加年金は効率が良い
月400円を納めると、年金額が「200円 × 納付月数」増えます。2年受け取れば元が取れる計算になります。ただし国民年金基金とは併用できません。iDeCo の拠出限度額
自営業者(国民年金第1号被保険者)の iDeCo 拠出限度額は、会社員より大きく設定されています。2026年12月 からは、さらに引き上げられます。
| 現行 | 2026年12月 から | |
|---|---|---|
| 第1号被保険者・任意加入被保険者 | 月68,000円 | 月75,000円 |
| 第2号被保険者(企業年金なし) | 月23,000円 | 月62,000円 |
| 第2号被保険者(企業年金あり) | 月20,000円 | 月62,000円 |
| 第3号被保険者 | 月23,000円 | 月23,000円 |
改正の内容と、区分ごとの確かめ方は別の記事にまとめています。
順番の考え方
すべてを同時に使う必要はありません。収入の変動を考えると、引き出せる柔軟性の高いものから固めるという順序が扱いやすくなります。
- 生活防衛資金を厚めに確保する(1年分を目安にする考え方もあります)。
- 税と社会保険料の支払い分を別に取り分けておく。これを投資に回すと納付時に取り崩すことになります。
- 付加年金(月400円)を検討する。金額が小さく、効率が良い。
- NISA を使う。引き出しの制約がないため、収入が変動しても対応しやすい。
- iDeCo・小規模企業共済を検討する。所得控除の効果は大きいが、引き出せる時期に制約があります。
所得控除の効果は課税所得しだい
iDeCo や小規模企業共済の掛金が全額所得控除になるのは大きな利点ですが、効果の大きさは課税所得の水準で変わります。課税所得が小さい年は、控除の効果も小さくなります。出典
- [1]厚生労働省「iDeCoがパワーアップします!(令和8年12月からの拠出限度額引き上げ)」2026年12月から拠出限度額の引き上げと加入可能年齢の拡大が行われる。
- [2]国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト(拠出限度額)」