本文へスキップ
タネとチエ

生活防衛資金

「まず生活防衛資金から」とよく言われます。慎重すぎるように聞こえますが、これは守りの話ではなく、投資を途中でやめないための仕組みの話です。

公開

何のためのお金か

急な出費入院・失業・修理防衛資金がある現金から払う積立は続く安いときも買い続けられる防衛資金がない投資を売って払う安値で売ることに不況と失業は重なりやすい
生活防衛資金の役割は、急な出費を投資の取り崩しに向かわせないことです。相場が悪いときほど急な出費と重なりやすいため、この分岐が効きます。

急な出費が起きたとき、現金がなければ投資している資産を売ることになります。問題は、そういう出費が起きやすい時期と、相場が悪い時期が重なりやすいことです。

景気が悪くなると、企業の業績が落ちて株価が下がり、同時に失業やボーナス減も起きやすくなります。つまり「収入が減って現金が必要になる」ことと「資産が値下がりしている」ことが同時に来ます。現金のクッションは、この重なりを避けるためのものです。

いくら必要か

目安であり、決まった正解はありません。安心して眠れる額、という基準も有効です。複数に当てはまる場合は、厚いほうに寄せる考え方が扱いやすくなります。
状況目安考え方
会社員・共働き生活費の3か月分収入源が2つあり、失業給付もある。
会社員・単身生活費の6か月分収入源が1つ。転職に時間がかかる可能性も見込む。
自営業・フリーランス生活費の1年分収入が変動し、失業給付もない。厚めに持つ考え方が一般的。
共働きだが収入が一方に偏っている単身の目安に近づけて主たる収入が止まると世帯の収入がほぼ止まる。扶養内のパートで働いている場合、失業給付も限られる。
扶養家族がいる上記に加えて厚めに自分だけの問題ではなくなるため、余裕を持たせる。
下げられない固定費が大きい上記に加えて厚めに住宅ローンのように、収入が減っても金額が変わらない支出がある場合。生活費のうち削れない部分の割合を見る。

「生活費」は手取り収入ではなく、実際に毎月出ていく額です。家賃、食費、光熱費、通信費、保険料などを合計します。この額を把握することが、実は最初の一歩です。

どこに置くか

すぐに引き出せることが条件です。定期預金や、解約に手続きが必要なものは向きません。普通預金で十分です。

「金利がもったいない」と感じるかもしれませんが、この資金の目的は増やすことではありません。必要なときに、必要な額が、確実にあることです。

生活費の口座とは分けておく

同じ口座に入れておくと、いつのまにか使ってしまいます。別の口座に置いて、普段は見ないようにするだけで残りやすくなります。

よくある質問

「貯まるまで投資を始めてはいけないのか」。厳密に順番を守る必要はありません。生活防衛資金を貯めながら、少額で積立を始める形でも構いません。ただし、防衛資金がゼロのまま大きな金額を投資に回すのは、途中でやめる原因になります。

「クレジットカードがあれば大丈夫では」。カードは支払いを先送りするだけで、翌月には払う必要があります。分割やリボにすると高い金利がかかります。現金の代わりにはなりません。

ないまま始めた人の話