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タネとチエ

だまされないために

金融の知識が増えるほど、だまされにくくなります。ただ、全部を知る必要はありません。いくつかのパターンと、1つの問いを持っておけば、大半は避けられます。

解説

最終更新 / 公開

成り立たない組み合わせ

『元本保証で高利回り』は、うそか、罠。

なぜ: 高いリターンは、高いリスクを引き受けた対価です。リスクを取らずに高いリターンだけを得られる仕組みがあるなら、とっくに誰かが埋めています。この2つが同時に成り立つ話は、成り立っていません。

リスクとリターンは対になっています。だから「元本保証」と「高利回り」は同時に成り立ちません。この一点を押さえておくだけで、多くの勧誘を切れます。

「元本保証」という言葉を使っている時点で、その説明は正確でないか、意図的に誤解を招こうとしているかのどちらかです。

いったん止まる合図

  • 「元本保証」「絶対もうかる」「必ず増える」 — リスクとリターンの関係と矛盾します。
  • 「今日中に」「今だけ」「あと3名」 — 考える時間を与えないための仕掛けです。
  • 「あなただけ特別に」 — 特別扱いする理由がありません。
  • 「友達を紹介すると報酬」 — 商品の中身ではなく、勧誘の連鎖で成り立っている可能性があります。
  • 「金融庁に登録済み」と自称する — 実際に登録されているかは金融庁のサイトで確認できます。
  • 「未公開株」「これから上場する」 — 一般の個人に持ちかけられる話ではありません。

18歳から契約できてしまう

2022年から成年年齢が18歳になりました。18歳以上は親の同意なしに契約でき、未成年者取消権も使えません。若い人が狙われやすくなっているのは、このためです。

SNSの情報をどう読むか

『誰が得をするか』を先に見る。

なぜ: 情報の中身を評価する前に、発信者が何を得るのかを見ると、偏りの方向が予測できます。売り手が語る商品の説明と、売り手でない人の説明では、省略される部分がちがいます。

SNSでお金の情報が手に入るのは良いことです。ただ、短い投稿には前提や条件が書ききれません。また、発信者が何かを売っていたり、広告収入を得ていたりすることもあります。それ自体は悪いことではありませんが、知って読む必要があります。

  1. この人は、これを言うことで何を得るのか。商品を売っているのか、閲覧数を得ているのか、何も得ていないのか。
  2. 数字の出どころはどこか。「平均7%」と言うなら、どの国の、いつからいつまでの、名目か実質か。
  3. 反対の意見はあるか。反対意見が存在しないように見える話ほど、探してみる価値があります。

数字は、出どころとセットで受け取る。

なぜ: 同じ「平均利回り7%」でも、どの国の、いつからいつまでの、名目か実質かで意味がまるで変わります。出典と期間が示されていない数字は、判断材料になりません。

その場で思い出せるか

知らない人から来るとはかぎらない

問 読んでいるときは分かるが、言われている最中に思い出せる気がしない
答 だからこそ、覚える語を減らす形にしてあります。リスクとリターンは対になっている、という一点だけ持っていれば、元本保証と高い利回りが同時に出てきた時点で止まれます。
問 その一点は覚えられそうだが、知らない人から来る前提ではないか。友人から来たときに、その場で「それは成り立たない」と言えるのか
答 その指摘のとおりで、上の説明は片側しか見ていません。言えない場面のほうが多いと考えられます。説明していたのは中身の見分け方で、断りにくさのほうは別に残ります。中身ではなく相手で決めてしまい、お金が戻らなかった、ということも起こりえます。そのとき見ているのは商品ではなく相手との関係のほうだった、と後から気づく形です。
問 相手で決めてしまいそうなときに、できることはあるか
答 その場では返事をしない、と決めておく方法があります。持ち帰ると急かされることがあり、急かされること自体が手がかりになる、という考え方です。
問 中身が分からなくても、急かされるかどうかは分かるのか
答 「考える時間を与えない」は、止まる合図の側にも並んでいます。中身を見分けることと、返事を遅らせることは、別々に効く話だと整理できます。

確かめる方法と、相談先

  • 金融商品取引業者の登録は、金融庁のウェブサイトで検索できます。名前がなければ無登録業者です。
  • 消費者ホットライン「188」。全国どこからでもかけられます。
  • 金融サービス利用者相談室(金融庁)。金融機関とのトラブルについて相談できます。
  • 警察相談専用電話「#9110」。詐欺の疑いがある場合。

早いほど取り返せます

だまされたかもしれないと思ったら、恥ずかしがらずに早く相談してください。時間が経つほど資金の回収は難しくなります。「自分が悪かった」と思って黙ってしまうのが、いちばん損をします。