長期金利(10年国債)
「長期金利が上がった」というニュースが、なぜ住宅ローンや預金や債券の話につながるのか。何を指している数字なのかから整理します。
2026年9月1日時点
2.987%
10年国債の金利
2020年の年末
0.035%
ほぼゼロだった時期
前回3%以上だった日
1996年9月6日
3.060%
基準日 2026年9月1日 / 取得日 2026年9月2日
10年国債の金利の推移(各年の最終営業日)
単位: %
各年の最終営業日の値。年の途中の高値・安値は含まない。 直近(2026年9月1日)の値は2.987%です。
データを表で見る
| 年 | 金利(%) |
|---|---|
| 1990年 | 6.619 |
| 1991年 | 5.575 |
| 1992年 | 4.970 |
| 1993年 | 3.413 |
| 1994年 | 4.555 |
| 1995年 | 3.165 |
| 1996年 | 2.778 |
| 1997年 | 1.934 |
| 1998年 | 2.117 |
| 1999年 | 1.680 |
| 2000年 | 1.650 |
| 2001年 | 1.369 |
| 2002年 | 0.906 |
| 2003年 | 1.363 |
| 2004年 | 1.437 |
| 2005年 | 1.473 |
| 2006年 | 1.678 |
| 2007年 | 1.502 |
| 2008年 | 1.177 |
| 2009年 | 1.289 |
| 2010年 | 1.127 |
| 2011年 | 0.987 |
| 2012年 | 0.794 |
| 2013年 | 0.736 |
| 2014年 | 0.325 |
| 2015年 | 0.267 |
| 2016年 | 0.043 |
| 2017年 | 0.047 |
| 2018年 | 0.013 |
| 2019年 | -0.015 |
| 2020年 | 0.035 |
| 2021年 | 0.089 |
| 2022年 | 0.454 |
| 2023年 | 0.647 |
| 2024年 | 1.111 |
| 2025年 | 2.066 |
長期金利とは何を指しているか
ニュースで「長期金利」と言うとき、多くの場合は10年満期の国債の利回りを指しています。国がお金を借りるときの、10年間の借入金利です。
国債は市場で売買されているので、この利回りは日々動きます。国債が買われれば価格が上がり、利回りは下がります。売られれば価格が下がり、利回りは上がります。価格と利回りは、いつも逆に動きます。
住宅ローンの固定金利も、企業が社債を出すときの金利も、この10年国債の利回りを土台にして決められます。個々の借り手の信用力に応じた上乗せが乗るだけで、土台が動けば全部が動きます。「長期金利」がニュースになるのは、そのためです。
報道の数字と、このページの数字がずれる理由
このページに載せているのは、財務省が毎営業日に公表する国債金利情報です。これは特定の銘柄の利回りではなく、その日に取引されている複数の国債から金利の曲線を作り、満期までの年数をそろえて算出した値です。
一方、報道が「長期金利が○%」と言うときに使うのは、新発10年物国債という特定の銘柄の利回りで、取引時間中の値であることもあります。作り方も、いつの時点かも違うので、小数第2位以下はずれます。同じ「長期金利」でも、どこの何を見た数字なのかで少し違う、ということです。
なぜ動くのか
- これからの政策金利の見通し。10年国債の利回りは、おおまかに言えば「これから10年間の短期金利の平均はどれくらいになりそうか」という市場の見方を映します。日本銀行が利上げしそうだと見られれば、利上げの前から上がります。
- 物価。お金を10年間貸すなら、その間に物価が上がるぶんは埋め合わせたい、という理屈が働きます。物価が上がっている局面では、金利にも上向きの力がかかります。
- 国の財政の見られ方。返ってこないかもしれないと見られるほど、貸し手は高い金利を求めます。国債の発行が増える見通しが出ると、それだけで金利が動くことがあります。
- 海外の金利。日本の投資家も海外の投資家も、円建てとドル建ての両方を見ています。米国の金利が上がれば、為替を通じて日本の金利にも影響します。
どれか1つで決まるわけではなく、同時に働きます。そしてこの先どう動くかは、専門家にも分かりません。このページも、水準の説明はしますが、予想はしません。
上がると、家計の何に効いてくるか
借りている側
- 住宅ローンの固定金利は、長期金利に連動します。これから借りる人、固定期間が終わって借り換える人に効きます。すでに全期間固定で借りている人の金利は変わりません。
- 変動金利が見ているのは、長期金利ではありません。変動金利の土台は短期の金利(政策金利に連動する指標)です。長期金利が動いても、すぐには変わりません。ただし、どちらも同じ「利上げの見通し」に反応するので、無関係でもありません。
- 奨学金や事業性の借入も、新規の契約から順に効きます。すでに固定で借りているものは変わりません。
預けている側・持っている側
- 預金の金利は、上がるとしても遅れます。預金金利は銀行が決めるもので、市場の金利にそのまま連動するわけではありません。
- すでに持っている債券・債券ファンドの価格は下がります。上の会話のとおりです。残っている期間が長い債券ほど、下げ幅は大きくなります。
- これから買う人にとっては、期待できる利回りが上がります。同じ商品が、以前より高い利回りで買える状態です。
「金利が上がったから債券」とは、ここでは言いません
利回りが上がったことは事実ですが、それが自分にとって良い選択かどうかは、いつ使うお金なのか、ほかに何を持っているのか、借入があるかで変わります。本サイトは商品や配分を勧めない方針です。借入の金利と運用の利回りをどう比べるかのように、順番の話として整理しています。
年限によって金利は違う
国債は1年物から40年物まであり、ふつうは満期までの期間が長いほど金利が高くなります。長く貸すほど、物価や金利が読めなくなるぶんの上乗せが要る、と説明されます。
ただし、いつも右上がりになるわけではありません。下の表のいちばん長いところでは、順序が入れ替わっています。長い年限どうしの差は、その年限の国債をどれだけ買いたい人がいるかでも動きます。
年限ごとの金利(2026年9月1日時点)
単位: %
満期までの期間と金利の関係を「イールドカーブ」と呼びます。この形が変わること自体が、市場の見方の変化として読まれます。
データを表で見る
| 年限 | 金利(%) |
|---|---|
| 1年 | 1.527 |
| 2年 | 1.802 |
| 5年 | 2.280 |
| 10年 | 2.987 |
| 15年 | 3.544 |
| 20年 | 3.859 |
| 25年 | 4.143 |
| 30年 | 4.131 |
| 40年 | 4.145 |
約30年ぶりの水準、という言い方について
10年国債の金利が3%以上だったのは、1996年9月6日が最後です(3.060%)。そこから下がり続け、2016年7月27日には-0.297%と、マイナスまで沈んでいます。
つまり、いま起きているのは「金利のある状態に戻りつつある」という変化です。ただし、戻った先が昔と同じ世界とは限りません。当時と比べて、公的債務の残高も、人口の構成も、物価の動き方も違います。過去の水準に並んだことを、過去と同じことが起きる根拠にはできません。
では、何ができるか
- 自分の借入がどちらの金利かを確認する。固定なのか変動なのか、変動なら見直しの時期はいつか。契約書に書いてあります。
- 金利が上がった場合の返済額を試算しておく。住宅ローンの試算で、金利を上げた場合も試せます。
- 持っている資産のうち、金利に反応する部分を把握する。債券の比率が高いほど、金利の動きで値が動きます。
- ニュースの数字が自分の何に効くのかを、先に切り分ける。借りている側か、持っている側か、これから買う側か。同じ数字でも意味が反対になります。
金利の先行きは分かりません。分からない前提で、どちらに動いても致命傷にならない形にしておく、という考え方をこのサイトでは採っています。
出典
- [1]財務省「国債金利情報」(利用条件: 公共データ利用規約(第1.0版))毎営業日に公表される年限別の金利(半年複利ベースの最終利回り)。1974年以降の日次データが公開されている。特定の銘柄の利回りではなく、複数の銘柄から作ったその日のイールドカーブから、満期までの年数をそろえて算出した値(コンスタントマチュリティーベース)。
- [2]総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」(利用条件: 公共データ利用規約(第1.0版))
- [3]日本銀行「外国為替市況(東京市場 ドル・円 スポット中心相場)」(利用条件: 出所を明記すれば転載・複製が可能。商用目的・画像等は事前に相談が必要)